高原の村 大俯瞰 2018 《平成30年11月上旬》 |
先月の“季節の一枚”でもお伝えの様に、再びの川上村訪問。
三週連続でのいわゆる執念? 三年前の作品自体も、それなりに自慢のお気に入りの出来ではあったのですが、季節の若干の遅れと、レンズの描写性能への僅かな不満から、ほぼ同画角が写し止められる機材へ切り替え以来、是が非でも撮り直したい筆頭の作品でもありました。 そもそもこの場所の“発見”は偶然。 まだフィルム機での撮影当時、唐松の大風景の迫力を写し止めたく初訪問。 目星を付けたのは信濃川上駅のある御所平集落の裏に横たわる名もない小山(頂上付近に1535.6m三角点)。 もっとも、今回麓の駐車場所で出会った地元のおじさん曰く、ひなたやま(日当山?)と呼ばれているそうですが、頂上には無線中継施設が立ち、裏側から大幅な大回りでの登山道(林道)はあるものの、見晴らしの出来る地点を探す為に敢えて道なき表側の急斜面を登山。 結局はお目当ての風景が望める開けた場所は見つけられなかったのですが、その変わりに得た収穫が作品の様な風景。 当時はどんな画角で撮ったのか忘れてしまいましたが、二回目の登山(平成27年)で定点地点を、前回到達地点の捜索中に彷徨いながら新発見。 此処がまた微妙な足場の危険な崖。 不意の大地震でも起これば転落死亡間違いなしの、あまりお勧めしない、冬場の凍結破砕作用で若干崩壊の進む岩壁斜面ではあります。 性格上、“行ってしまえ”的な行動をしてしまう様です・・・ お天気等の自然条件は人力の及ぶものではないけれども、それ故に三週に亘っての、しかも最終週は三日連続の登山を決行して来ました。 先週、早朝の時間帯には列車に日が回るのをこれまた偶然に確認。 風景自体も迫力があり、最終日は日の出前の暗い時刻(五時頃)から登りました。 所要は場所を知っていれば登りおよそ七十五分、下り四十五分程。 平均三十度位もある急傾斜を喘ぎながら登らないと辿り着けませんし、下りも油断は出来ません。 しかも最上部は不安定な岩屑の難関斜面。 ストック(現地に大量に散らばる枯れ枝を使用:ちなみに語源のドイツ語Stockではシュトックと発音)があると安定感が増し歩き易いと感じました。 結果的には、初日は南アルプス上空に雲が横たわり、色合いがいまいち。 二日目が最高の条件で、最終日は夜明けと共に手前の八ヶ岳さえも雲隠れで残念な一日。 作品背景は冠雪の白峰山(北岳・間ノ岳)や鳳凰山・甲斐駒ヶ岳・鋸岳等が思いの外くっきりの大迫力。 唐松の色付きはもう数日待った方が迫力は更に増しそうですが、下り坂のお天気で今年は多分、これが最高の瞬間。 再訪のきっかけとなったレンズの描写性能(画面四隅の結像不足)に話を移すと、風景撮影向きとはあまり言えない性格のレンズ(58mm・f/1.4)であるものの、以前のズームレンズ(24-70mm・f/2.8)よりも数段良いのは一安心。 更に絞り込めばほんの若干結像度が増すのですが、画面中央は回析現象で解像度が相当低下してしまうのでこの辺り(f/8)が妥協点。 原寸大で鑑賞すると、遥か鉄道最高地点まで、小海線が巡る情景が写し止められているのが確認出来ます。 最近導入した16インチ印刷が楽しみな、隅々まで高精細な仕上がりに大満足な一枚となりました。 ほぼ同画角での季節の移ろいをお楽しみ下さい。 |
平成30年10月23日:11時45分頃(228D) |
平成30年10月28日:8時30分頃(223D/224D) |
平成30年11月2日:8時30分頃(223D/224D) |
平成27年11月4日:11時45分頃(228D) |
最後の一枚のみ、時代の移ろいによる情景の細かな相違と、使用レンズの違いによる若干の画角の変化が発生しています。
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